
記憶を香りでなぞる香水、メゾン マルジェラの『レプリカ』シリーズ。
日常の一瞬や、遠い旅先の空気、誰かのぬくもり・・そんな”情景”を香りで再現するために生まれたフレグランスコレクションです。
たとえば、冬の朝に暖炉のそばで過ごした時間・・
それが『By the Fireplace』です。
香りが描く情景|By the Fireplace の記憶

雪が静かに降り積もる朝。
窓の外は一面の銀世界。空気は澄んでいて、吐く息が白くほどける。
厚手のニットに身を包み、薪のはぜる音を聞きながら、暖炉の前に座る。
火のゆらめきが壁に影を落とし、部屋の中はオレンジ色のぬくもりに満ちている。テーブルの上には、焼き栗とホットミルク。
甘く香ばしい匂いが、煙のようにゆっくりと部屋に広がっていく。
外は凍えるような寒さなのに、ここには静かな温度がある。
それは、誰かと過ごした冬の記憶かもしれないし、まだ見ぬ旅先の朝かもしれない。
『By the Fireplace』は、”ぬくもりの記憶”を香りで包み込むフレグランス。
スモーキーな薪の香りと、焼き栗の甘さが重なり合い、冬の空気にそっと寄り添ってくれる。
香りのレビュー

・・記憶の物語では、そんな情景を描く『By the Fireplace』ですが、実際に使ってみると、想像とは少し違った印象もありました。
チェスナット(栗)の香りが入っていると知って、焼き栗が前面に出ているような香りを想像していました。
でも、焼き栗の甘さよりも、スモーキーな薪の香りが前面に立ち、まるで焚き火のそばにいるようなリアルな空気感。
ここからは、香りの変化とともに、実際の印象をレビューしていきます。
香りの最初に感じるのは、焚き火の煙のようなスモーキーな香ばしさ。寒い日に部屋で焼き芋をオーブンで焼いているときに、 ほんのり焦げた皮の香ばしさと、甘い香りが部屋いっぱいに広がるような、あたたかくてスモーキーな空気に包まれます。スパイスもほんのり効いていて、ちょっと大人っぽい雰囲気もあります。
そこから香りは、焼き栗のような甘くて香ばしい印象へと移り変わっていきます。
とはいえ、『栗!』という感じではなくて、香ばしさとほのかな甘さが混ざった、焼き菓子のような雰囲気。
香ばしいクッキーを思わせるような、どこか懐かしい香りです。
時間が経つと、バニラの甘さがやさしく残って、ぬくもりに包まれるようなホッとできるような香りです。
焚き火で焼いた芋 → 手作りクッキー(初めの方が焼き栗?) → バニラアイスの余韻
そんな流れで、時間とともに香りが変化していきました。
焚き火の煙のようなスモーキーさから始まり、香ばしくて甘い焼き菓子のような香りへ。最後は、やさしいバニラのぬくもりに包まれるような余韻が残ります。
肌につけてから約5時間ほど、香りが残っていました。
焚き火のぬくもりや焼き菓子の香ばしさに惹かれる方には、きっと心に残る香りになると思います。
おすすめの使い方
おすすめの使い方は、朝のお出かけ前や、夜の読書タイムに。
ひとりで過ごす休日の午後、ホットココアを片手に。
そして、誰かと過ごす静かな夜にも。
この香水は、ぬくもりをまといたい日にぴったりです。
まずは小さなボトルから、冬の記憶を手にしてみませんか?
気になった方は、ぜひチェックしてみてくださいね。▼
トップ : ピンクペッパー、オレンジブロッサム、クローブ
ミドル : チェスナット(栗)、ガイアックウッド、ケードオイル
ラスト : バニラ、ペルーバルサム、カシュメラン
レビューや写真に一言だけ言葉を添えて。 誰かに伝えるためだけでなく 自分自身の記憶をたどるためのメモとしても。
