思い返してみると、小さな頃から香りに惹かれていた気がする。
昭和の時代、数センチほどの小さな瓶に入った香り付きの粒を集めていたことがあって。あれが、もしかしたら最初の香りとの遊びだったのかもしれない。
ただ香りをかぐだけで気分が変わったり、なんとなく嬉しくなったりして。意味もなく瓶を開けては楽しんでいた記憶がある。
今でも、紅茶の香りのお風呂や、サウナでのロウリュのジャスミンの香りとかも好きで。熱と一緒に広がるアロマの蒸気に包まれる瞬間って、香りの心地よさを全身で感じられる時間。
香水だけじゃなくて、香りそのものがずっと好きだったんだなぁって思う。

初めてちゃんと使った香水は、COCOパルファム。
高校生のときに、もらった物。
それが、香水の世界に足を踏み入れるきっかけになって。
それまでは、帰り道に寄る地元のショッピングセンターで、1000円くらいで買えるコロンを使ってて。
容量もたっぷりで、気軽にシュッとできるし、それはそれで好きだった。
でも、COCOを初めて使った時に「香水ってこんなにすごくいい香りがするものなんだ」って思った。それまで使ってた香りアイテムとは全くの別物で、ほんとに衝撃だった。
毎朝の身支度のたびに、ほんのちょっと付けるだけで、少しだけ大人になったような気がしていた。スプレー式じゃない、小さなフラコンのキャップをそっと開けて、指先で香りをのせるのも、なんだか特別だった。1日中いい香りに包まれて過ごしたかったので、もらったCOCOは、それから毎日欠かさず使っていたので、数カ月で使い切ってしまった。

それから月日は流れ、数年前に、あの頃と同じミリ数・同じ外観・同じ箱のCOCOを目にしたので購入しておきました。
この購入しておいたCOCOは、今も使わずに、想い出のカケラとして大切においている。あの頃の想い出を閉じ込めたような存在だから。
COCOの香りは、私にとっては懐かしい想い出のある特別な香り。
初めて使った香水の、空になった想い出の瓶。あのとき、捨てずに取っておけばよかったなって、今になって思う。
年齢を重ねた今、それだけがちょっと残念。
レビューや写真に一言だけ言葉を添えて。 誰かに伝えるためだけでなく 自分自身の記憶をたどるためのメモとしても。
お気に入りの香水が、今日という日を少し特別にしてくれる。🌹